自民党内に存在する「玉木首班説」、幹事長は立憲民主との連立も視野3月18日、国会内で記者会見をする国民民主党代表の玉木雄一郎。立憲民主党幹事長の小川淳也は石破が退陣した場合の首相指名選挙で、玉木への投票の可能性について「排除しない」と語った Photo:JIJI

 首相の石破茂が自民党衆院議員に配った10万円の商品券が石破を直撃している。主要メディアが3月中に実施した世論調査の全てで内閣支持率が急落した。中には危険水域とされる20%台に落ち込んだ社も出現した。そうした中で注目は国民民主党が支持率を急伸させていることだ。政党支持率の調査で野党第1党の立憲民主党を凌駕する傾向が固まりつつある。

 例えば共同通信社の調査では、立民が11.1%だったのに対して国民は12.9%。産経新聞に至っては国民11%で6.9%の立民に大差をつけた。7月20日の参院選挙まで4ヵ月を切った状況での国民の勢いは無視できない。

 1992年の参院選で初めて議席を得た日本新党は翌年の衆院選でいきなり野党第3党に躍進。代表だった細川護熙は非自民連立政権の首相に就任した。リクルート事件でクローズアップされた自民党の「政治とカネ」に対する国民世論のうねりが背景にあった。

 その3年前の89年の参院選では、自民党が初めて参院で過半数を失う大敗を喫した。原因の一つが参院選直前になって自民党総裁(首相)が竹下登から宇野宗佑に交代したことだ。満足な選挙態勢が整わないまま選挙本番に突入して自民大敗を招いた。

 これは今の自民党の党内状況に酷似する。不満があっても石破を代えるほどの時間もエネルギーもない。自民党政調会長の小野寺五典が行った3月22日の福島での講演には聞く耳を疑った。