35%日本製

 ボーイング787は、使用する部材の約70%を米国外から調達しており、開発費の分散・低減も含めた、コスト・ダウンを目指して設計・製造された。これらのうち、日本製の部品が約35%使用されている。

 ボーイング社の民間航空機部門の社長兼CEOのジム・オルボー氏は報道陣に向けて「ボーイング787は日本製の飛行機だと言ってもいいくらいのものだ」と述べ、同席していた全日空の伊東信一郎社長も「この機体はまさに次世代の飛行機で、日本の『ものづくり』の粋が凝縮されている」と述べた(NHK)。

 ボーイング787の燃費の改善を可能にした大きな要因は、軽量で強度の高い炭素繊維を機体に使用して、機体全体の軽量化を図ったことにある。この繊維を開発し、製造に必要な全量を納入する長期契約を締結したのは、東レだ。

 また、炭素繊維を用いる主翼部分の製造は三菱重工業が担当している。この他、川崎重工業、富士重工業も参加しており、日本企業が同機の製造にあたって、重要な役割を担っていることは間違いない。

 分担生産には、日本の他に、イタリア、イギリス、フランス、中国、カナダ、韓国などの企業が参加しており、開発には約70社、製造は下請けまで入れると約900社が参加しているという。ちなみに、エンジンはロールスロイス製とGE製を発注者が選択することができる。

 部品の35%という日本メーカー製の比率は、ボーイング社自身が製造する部品の比率にほぼ等しいという。

 7月3日のNHK総合テレビ、午後7時からの「ニュース7」では、かなりの時間を取って、日本のメーカーの技術がボーイング787にどのように使われているかを、映像を交えて紹介していた。航空会社と製造に関わった企業の両方にとって少なからぬ宣伝効果があったのではないかと推測される。

 ボーイング787が注目されて旅行が増えることも、日本企業の実力が示されることも、悪いことではない。しかし、筆者は、このニュースの映像を観ながら、いささか複雑な気分だった。