「気付き」ツールで時間の使い方の改革へ

 2017年からは、働き方改革を第2章へと位置付け、働き方を改革する段階から、働き方で何かを改革するステージに入った同社。中でも力を入れているのが社員自らの「働き方で改革」の推進。その核となるのが、Office365 の「MyAnalytics」を活用した時間の使い方改革だ。Office 365 での働き方の傾向のビッグデータはクラウドに蓄積されている。MyAnalytics のAIがそのビッグデータを分析し、気付きを与えてくれるという。

「メールや会議、フォーカス時間(集中して作業する時間)がどれくらいだったのか。また、誰とのメールが多い、誰と一緒の会議が多いなど、傾向まで『見える化』されます。さらにAIが検討事項としてアドバイスまでしてくれます」

Office365の「MyAnalytics」を活用して、作業時間を「見える化」。4カ月間の実証実験では4部門(41人)でトータル3579時間の時間削減を実現

 たとえば、「この会議でマルチタスクをこなすことが多い。参加する必要があるのか確認を」「残業時間にこれだけメールを送っている。相手の負担を考えて」「ある会議に同じグループ内から2人参加している。分担できるのでは」といった具合。そこからの気付きによって業務を振り返り、改善できれば、そこに時間の余裕が生まれる。

「その余裕を、イノベーションを生み出す時間に充てる。あるいはワークライフバランスのライフを充実させる。こうしたツールを使って『見える化』することで、漠然としか捉えられていなかった無駄な時間が明らかになり、時間の使い方を改革することができます。これはITベンダーである自社の強みを生かした取り組みです。今、日本の働き方改革のキーテーマは労働時間になってきています。このツールが果たせる役割は大きいと思います」

 ただし、これは人事管理ツールではない。データも本人しか見られない。あくまでも本人に気付きを与えるためのツールなのだ。

 同社では2016年12月から4カ月間、MyAnalytics を使った社内検証プロジェクトを行った。四部門、41人を対象に実施したところ、ある部門では、無駄な会議時間が27%削減でき、ある部門では、フォーカス時間が50%増加した。結果、四部門合計で、3579時間の削減に。これを一般的な2000人規模企業の残業時間に換算すると、年間7億円の削減となる。また検証プロジェクトでは、チーム内でお互いのデータを共有し、チームで改善しようとの動きも見られたという。

「今後は、改革をブームで終わらせないよう、社員一人ひとりが改革マインドを持てるようなカルチャー作りを進めていきます。そして自社の経験も生かし、さらなる働き方改革に役立つサービスを提供していきたいと考えています」

(『月刊総務』7月号より転載)

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