「価値観のソーシャルメディア」のネットワークは円状を描く

 さて、この連載で、ソーシャルメディアは「拠りどころ」の種類によって2つに大別されることを確認してきました。

「現実生活」を拠りどころとするソーシャルメディアは個を起点に広がります。実名性が高くなり生活範囲の人間関係でつながる傾向が生まれます。ネットワークは扇状を描き、安心できる連絡網が交友関係を強化します。

 反対に「価値観」を拠りどころとするソーシャルメディアはまず和があり、次にそれを構成する要素として個をとらえます。匿名性が高くなり趣味や想い、価値観を通してつながる傾向が生まれます。ネットワークは円状を描き、自由な発話環境を形成します。

価値観のソーシャルメディアにおけるネットワークは、円状を描く。

 ソーシャルメディアは、「拠りどころ」に加えて、場に「求めるもの」の違いでも大別されます。片方には「情報交換」を求める場があり、もう片方には「関係構築」を求める場があります。

 次回、このふたつのソーシャルメディアにスポットライトを当て、「ソーシャルメディアの地図」を完成させようと思います。その地図を携え、企業がソーシャルメディアを活用する際の出発点を探ってみることにしましょう。



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武田隆著『ソーシャルメディア進化論』が
7月29日にダイヤモンド社より発売されます。

定価:1,890円(税込) 四六判・並製・336頁ISBN:978-4-478-01631-2

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「ソーシャルメディア」とは何なのか?」
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――これらの疑問を解決し、ソーシャルメディアの現在と未来の姿を描き出した本書に、ぜひご注目ください。

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内容目次
序 章 冒険に旅立つ前に
第1章 見える人と見えない人
第2章 インターネット・クラシックへの旅
第3章 ソーシャルメディアの地図
第4章 企業コミュニティへの招待
第5章 つながることが価値になる・前編
第6章 つながることが価値になる・後編
終 章 希望ある世界