毎回多くの方にお読みいただいてきた本連載「ソーシャルメディア進化論」は、いよいよ今日が最終回。過去12回の連載では、ソーシャルメディアのタイプ別分類、ソーシャルメディアが孕むリスク、企業がソーシャルメディアを活用する方策などについて述べてきた。
連載を終えるにあたり、ソーシャルメディアがますます私たちの生活に根づくこれからの社会がどのような姿になっていくのかを考えてみたい。
【過去12回の連載はこちらからお読みいただけます】
ソーシャルメディアの出現によって
人と人とのつながりは原点に還る
これまでの連載を通じて、ソーシャルメディアの進化の方向性として、企業コミュニティが、ばらばらになってしまった個人を再結合させ、また、社会との関係をとりにくくなった個人が企業を通じて、社会と関わり合えるようになっていくというビジョンを説明してきました。
また、前回、アップルのマーケティングやブランドが、企業コミュニティを考える上である意味究極の姿であることを提示しました。
これまでの連載で取り上げてきた議論は、自分の会社や普段の活動と比べて、あまりに先端的な事例すぎると思われたかもしれません。
あるいは、アップルが一つの最終形だとすると、結局、アメリカを起点とした考え方になってしまうのか、と受け取られた方もいるかもしれません。
しかし、私はそうは思いません。もともと、企業コミュニティが実現しようとしていることは、人と人があるテーマをもとにつながり合うという、きわめて自然な活動をネットワークが支援するものだからです。