30代の資格取得はスタートラインに立つためのチケットに過ぎない本連載の著者・野田稔さんの
最新刊が好評発売中!

『実はおもしろい経営戦略の話』
野田稔
208ページ
SBクリエイティブ
800円(税別)
弱者が強者に勝つ方法
経営戦略の基本から、企業の実例を交えた勝ちパターンのつくり方、戦略の立て方、タイプ別に見る生き残る企業と自滅する企業、未来企業の特徴までをやさしく解説。

 税理士といえども、資格を取っただけで安泰といえる職業ではありません。星の数ほどいる税理士の中で自分の力で食べていくことは並大抵のことではありません。同じだけの入学金や授業料をいただく以上、明治大学のビジネススクールを出た人間は税理士として皆食べていけるようにしたかったのです。

 ですから、明治大学では税理士志望の方にもその他のマネジメント領域もしっかりと学んでもらいます。税理士になれば、クライアントのコンサルタントとしても手腕を発揮しなければいけません。そのためには会計の知識だけでなく企業戦略の知識やマーケティング、人事組織論の知識も必要になります。自分の事務所を持ったとするなら、自分自身が経営者としての顔も持つわけですから、経営の幅広い知識は必須です。

 だから、税法以外の科目もしっかりとMBAコースで学んでほしい。

 資格を取ることを主眼とするのではなく、その資格を使って、自分はどのような未来を切り拓きたいのか。税理士ならば、どんな税理士になりたいのか。繰り返しますが、税理士も競争の激しい業界です。自分がどのように、その業界で戦っていくのかを見極めた上で、そのゴールからバックキャスト(逆算)して、そのためにはどんな知識や経験が必要かを見極めることが大切です。

 ただの税理士ではなく、◯◯に強い税理士であったり、××もできる税理士でないと市場価値がないということです。

 これは一例です。万事が万事、そういうことなのです。プロとはそういうものなのです。プロになろうと思えば思うほど、さらに、プロになったらなったで、1秒足りとも無駄をしている時間はなくなるのです。

(明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授 野田 稔)