1999年の分社以降、管理部門の部署数も69部署と1.5倍にまで肥大していた大和は、コスト削減に迫られている
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 国内証券2位の大和証券グループ本社が、子会社の大和証券(個人向け部門)と大和証券キャピタル・マーケッツ(法人向け部門。以下、大和CM)の2社について、2012年4月をメドに統合する方針を固めた。

 背景には、09年末に三井住友フィナンシャルグループとの合弁を解消したことがある。それまで大和は、三井住友と合弁で10年間にわたりホールセール(法人向け)業務を展開してきた。

 合弁に際して、ホールセールとリテール(個人向け)を分社化したこともあって、いまや管理部門の人員は10年前に比べ1.5倍にもふくらんでいかにも非効率。もはや別々にしておく理由はないというわけだ。

 これまで大和は、「再度、どこかと提携することになった場合、ホールセールを残しておくのはメリットがある」(首脳)として統合を見送ってきた。だがじつは、「解消後すぐに検討課題として経営議題には上っていた」(同)という。

 ただ、ネックとなっていたのが、繰越欠損金とシステム統合の問題だった。

 このうち繰越欠損金については、大和CMが赤字のため、統合によって誕生する新会社も税金を支払わなくてすむため、税金逃れを嫌う国税庁に睨まれる可能性が少なからずあった。

 システムについても、10年にわたり二つのシステムを併存して走らせてきただけに、物理的にもコスト的にも「統合するのは容易ではない」(大和幹部)という事情があったのだ。

 加えて、子会社2社で役員がほぼ重複なく存在していたという難題も横たわる。統合によって、今後は経営陣自らが役員ポストを減らしていかねばなるまい。

 ところがここにきて、これ以上、先送りできない事情が出てきた。あと2段階で投機的格付けに陥る大和CMで赤字が続き、「今年の秋以降には格下げされるかもしれない」(大和幹部)との見通しを上回るスピードで格下げとなるリスクが高まっているのだ。

 7月7日、米格付け機関のスタンダード&プアーズ(S&P)が、大和と子会社2社の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更。その理由として大きく分けて、高コスト構造と法人向け事業の不振の二つを挙げた。

 さらに衝撃的だったのは、目下、先行投資を続け収益増を目指しているアジア関連事業について、「将来的な利益貢献につながらない可能性が考えられる」と見なされたことだった。

 7月には大規模な配置転換によるリストラにも着手、コスト削減に奔走してきた大和。子会社統合によって削減スピードを加速させる構えだが、それと並行して、トップラインである営業収益を伸ばす“秘策”を生み出す必要にも迫られている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)

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