それは、メールの返信文に、必ず「」という文字を入れることです(→「拝む理論」)。

「拝む理論」

「○○様 後田です。メールを拝受しました」
「(メール文の最後に)後田 

  などと使います。

  私はこれまで3000人超の方々とお仕事をしてきました。
  広告代理店の営業なので、上場企業の社長はもちろん、テレビ番組のプロデューサーやタレントのマネージャー、世界的なクリエーターやマーケッターなど、実業家からアーティストまで様々な業界の人と直接会い、メールのやりとりもしてきました。

  そんないろいろな業界にもかかわらず、大成功している人のメールには、一つの共通点があることに気づきました。

  それは、成功されている方は例外なく、日常の態度も謙虚であり、かつメール文面からも謙虚さを感じさせるということ。
  まさに「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」を地でいっていました。
  その方たちの謙虚なメールの秘密が、「拝」という字をメール文に入れ込むことだったのです。

「拝受しました」だけで、一石二鳥の効果!

「拝受」は、「目下から目上」に対して使っても、「目上から目下」に対して使っても、失礼にあたりません。
  実際、この理論を大企業の役員相手に使用しても怒られることはなく、かえって若いのに、しっかりしたメールだと褒められたこともありました。

  もちろん、作業効率も大幅に向上し、メールを1通送るのに30分以上推敲していた私も、「拝受」を使うようになってからは、目上の人とのメール返信に気をもむことが少なくなり、素早くメールを送ることができるようになりました。

  返信文の書き出しに、「メールを拝受しました」と一文添えておくと、それだけで「礼儀正しさ」や「姿勢の正しさ」を印象づけることができるからです。
  しかも推敲に時間もかからず、一石二鳥の効果があります。

  コンサルタントのIさんは、「お客様の馴れ馴れしい態度(メール)」にうんざりしていました。

  そこで私は、「拝む理論」をIさんに伝授しました。
  すると、「拝」の字を入れただけで、メールの文章が引き締まり、Iさんの礼儀正しさを相手に伝えることができ、相手の態度も変わったそうです。

  メールは、電話や手紙、対面でのコミュニケーションに比べると「手軽なツール」です。でも、手軽だからこそ、つい礼節をおろそかにしてしまうことがあります。
  メールにおいては「拝」を使う。
  それだけで礼儀正しく見えるようになり、時間効率も大幅にアップするのです。