強い経営チームとは、お互いの仲がいいチームのことではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA
「強い経営チーム」とは?
「ギブ&テイク」から「ルーズ&ルーズ」の関係へ
「うちの幹部候補は仲いいよ」
連載第1回で「育成段階から経営チームを作ることを目的に置いてみませんか」とお話しましたが、この話をすると、複数の社長からこのように言われます。
しかし、ここであえてお伝えしたいのは、“強い経営チーム”とは“お互いの仲がいいチーム”ではないということです。一体どういうことでしょうか?
連載第2回でご紹介した事例(1)を思い出してください。私たちが研修でサポートさせていただく前の経営幹部チームの状態を一言で表現するなら、「仲のいい人たち同士では話しあっている」状態と言えるでしょう。経営企画や経理系の幹部同士は、きっと幹部会でも侃々諤々議論しあえていたと思います。しかし、Aさんはその輪に加われていない状態でした。
そこから、研修を機にAさんも含めて互いが議論し、要望し合う状態になったのです。その特筆すべき成果は、「生簀(いけす)を復活させる」という成功するか否かが不明なAさんの提案に、他の幹部も賛同したということではないでしょうか。結果は成功でしたが、失敗に終わったとしても、誰もAさんを非難することはなかったはずです。提案したAさんはもちろん、他の幹部も互いに様々なリスクを取り合えたからこそ成し得た決断だったのです。
変化が激しい時代、ギブ&テイクの関係のうえで成り立つチームでの経営は難しいでしょう。約束できる・確約された利益などどこにもないからです。そうではなく、互いがリスクを引き受け合える関係、もっといえば相手の本気を信頼し、当面のリスク・譲歩・負担・犠牲を引き受ける「ルーズ&ルーズ」の関係が成り立ってこそ、大きな決断ができるというわけです。
そして、そのためには互いが思っていること・感じていることが言い合えることが必要条件になります。目指すべきは単なる仲良し関係ではないということです。
「ルーズ&ルーズ」の関係をつくる核心は、
人間レベルのコミュニケーション
では、そのような関係はどうしたら作れるのでしょうか?
この答えはすでに出ています。もう一度Aさんを思い出してください。なぜ他の幹部がAさんとルーズ&ルーズの関係を築けたのか。それは、Aさんが入社以来、厳しい環境の中でも逃げずに誠実に努力してきたことが交流を通じて理解されたからです。







