処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が話題沸騰のShin氏。外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、ビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある彼は、本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだった(落ちこぼれ時代のエピソードは、連載第1回をご参考ください)。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。急成長を遂げる過程で、考えたこと、学んだこと、そして実践してきたノウハウについて、Shin氏に教えていただいた。

上司や先輩があなたに好感を抱くタイミングとは?

 突然ですが、大学のサークルや高校の部活を思い出してみてください。みなさんにも後輩がいたと思いますが、彼らとの交流の中で一番気持ちよかったのはどのようなときでしょうか?

 もちろん人によって違うとは思いますが、最も多い回答のひとつが「自分の活躍や苦労を語っているとき」です。人は自分の成功や苦労を語りたがるものであり、それを楽しそうに聞いてくれる人に好感を持つという習性があります。会社の上司や苦手な先輩など、良好な関係を築くためにこれを利用しない手はありません。

 ぼく自身、良好な関係を築けなかった上司については、まったくこれができていませんでした。その上司といる時間を可能な限り少なくしたかったため、雑談もなるべく避け、過去に上司がどのような仕事をしていたか、どのような活躍をしていたかを聞く機会はほとんどなかったのです。いま思い返してみると、そのような話を上司からしてくれたこともありました。しかしぼくは、上の空で「早く終わらないかな」と思っていたのです。こんな態度では、上司から好かれるはずがありません。

 反対に良好な関係を築けた上司とは、業務外でもいろいろな話をしていました。ぼくは非喫煙者ですが、喫煙者の上司に付き合って喫煙室に行ったこともあります。そこで上司が過去にどんな仕事をしていたのか、どんな苦労をしてきたのか、どんなときにやりがいを感じたのかなど、いろいろな角度から話を聞きました。

 ここで聞いた話は、自分にとっての血肉となっていまでも生きていますが、それ以上に大きかったのは、「上司との関係を深められた」ことです。「こいつは本当に楽しそうに自分の話を聞いてくれるんだな」と思ってもらえたことで、日々のやりとりはスムーズになり、仕事でのストレスが大きく減ったのです。まったく話をしなかった上司と仕事をしていたときと比べたら、天国と地獄くらいの差です。