まずはレギュレーション対応と
モデルチェンジ事情のすり合わせ

 今回の網走テストセンターでの試乗では、筆者は新型レクサスLS500hを自ら運転し、市街地を想定したコースと、1周4キロメートルのオーバル型高速周回路で様々なシステムを体感した。

 対応するシーンやシステムは多岐に渡るため、詳細はレクサスのホームページで確認していただきたい。

歩行者を、自動ブレーキと自動ハンドルで避ける 写真提供:レクサスインターナショナル

 その中で印象に強く残ったのは、時速65キロメートルで歩行者に接近したのに、自動ブレーキと自動操舵で衝突を回避したこと。そして、自動で車線変更する際、後続車が急接近するシーンで「このまま車線変更を続けるのか、それとも元車線に戻るのか?」の動きが、まるで運転が上手い人間のような感じだったことだ。

 こうした自動運転につながる分野の技術を、トヨタは「レクサスCoDrive(コドライブ)」と呼ぶ。「Co(コ)」という名称には、飛行機で副操縦士を「コパイロット」と呼ぶように、クルマの運転者を“まるで人のように”サポートすることを目指す意味が込められている。

 では、なぜこのタイミングで、トヨタは「自動運転につながる、高度運転支援技術」の具体的なロードマップと商品計画を明らかにしたのか?

 結論を言えば、世界市場において、高度運転支援技術と自動運転についてのアセスメントやレギュレーションをクリアしなければならず、それを商品開発ロードマップの中で、新型LSのフルモデルチェンジとすり合わせた、と筆者は考える。

 具体的には、欧州自動車アセスメント(ユーロNCAP)のロードマップで2018年から求められる「歩行者に対する夜間での衝突回避」と、国連・欧州経済委員会・自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で2018年に発効する改正「時速10キロメートル以上で、ハンドルを握った状態での自動操舵による自動車線変更」への対応だ。

 高度運転支援技術については、こうした“目の前の宿題”があるため、何事も“石橋を叩いて渡る”トヨタとしても、量産化計画が立てやすいのだ。