第三回目で大賞受賞。
「やった!」というより、ほっとしました。

――3回目の応募作、佐藤さんの印象は?

佐藤 前作の方が深井さんの銀行マンとしての経験がダイレクトに反映されている。今回はよりフィクションとしてうまく組み立てられている。モチーフに日中戦争のことが取り入れられるなど、自分のフィールドから少し離れたところに主題をおいている、という印象でした。

 中国ビジネスというと、北京や上海が舞台の中心になりがちでした。ところが今回は中国モノと言っても、内陸部の中央アジアで少数民族がいる地域が舞台です。普通の日本人はなかなか知り得ない部分が取り上げられている。「三度目の正直」じゃないですけど、今度こそはとは思いました。

――では今回の受賞は、佐藤さんも嬉しかったのでは?

佐藤 そうですね。過去に複数回応募されている人はいるのですが、毎回最終選考まで残る人はいませんでした。そういう意味でも深井さんは筆力のある方だと思います。

――受賞したときはやった!という気持ちでした?

佐藤 やったというより、ほっとしたという印象でした。受賞後、すぐに電話しました。中国にいることが多い著者ですが、今回はちょうど日本にいらっしゃったので。過去2回の落選のお知らせはメールだったのですが、それがとても辛かったのを思い出しました(笑)。

毎回最終選考会に残る作品を執筆する。これは凄いことです。この安定した筆力が満を持しての受賞となりました。深井さんの作品の凄いところはストーリー展開だけでなく、中国への造詣の深さです。次回はその話も聞きます。

 

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