歴史上の人物をみても、美人は短命なのが定説だった。しかし、日本大学医学部教授の早川智氏によると、美人は統計的にも医学的にも長命だという根拠があるという。女性向け健康・ライフスタイル誌『ゆとりら 夏号』に寄稿された、同氏のコラムをお届けする。
「美人薄命」という言葉がある。古代エジプトのプトレマイオス王国と運命を共にしたクレオパトラ7世、安史の乱で落命した楊貴妃、フランス革命の犠牲となったマリー・アントワネットなどが思い浮かぶ。
出典を調べると北宋の詩人・蘇軾(そしょく)の「佳人薄命」に行き着くが、原典の意味は、美人も持てはやされる期間は長くないので、その後は門を閉じて花の落ちるのを待つのみという残酷な話である。女性の平均寿命世界一の日本で、筆者と同年代にあたる本誌読者には同意できないであろう。