「異例」でも何でもない40代の重要閣僚起用
政治リーダーの高齢化に歯止めをかけよ

 次に閣僚人事である。日本経済新聞は社説で(9月3日)、「財務相に安住淳氏、外相に玄葉光一郎氏と異例の40代の起用に踏み切った」と評したが、一体何が「異例」なのか。

 わが国がつとに議員内閣制のモデルとして参考にしている英国では、2010年に行われた総選挙で保守党が労働党を破って政権交代を実現したが、新首相となったキャメロン党首は43歳、オズボーン蔵相は39歳、ヘイグ外相は49歳だった。以前書いたコラムで指摘したように、むしろわが国の政治リーダーが「異例」なほどに高齢化しているのだ。オバマ大統領やガイトナー財務長官も40代で就任しており、40代での重要閣僚への起用は異例でも何でもない。なぜもっと素直に「これでやっとグローバルスタンダードに追いついた」と評することが出来ないのだろうか。

 ともあれ、(少なくとも年齢では)世界標準の新財務相と新外相の活躍を大いに期待したいものである。加えて、震災復興が待ったなしの現下の情勢を鑑みれば、40歳の細野氏が原発事故担当相として再任され、環境相を兼務したことや、復興担当相の平野氏も同じく再任されたことも評価されていいだろう。