過半数を超えた「解散を急ぐ必要はない」という国民の声
解散時期をにらむ政治からの脱却を

 民主党の支持率は36%、対する自民党は30%であり、市民が2大政党による政権交代制を引き続き「理想」と見ていることに疑いはない(その次は支持政党なしの14%である)。また、「解散を急ぐ必要はない」が58%と半数を超え、「来年春頃」の17%や「直ちに解散」の3%を大きく上回ったことも、原発事故の収束や震災復興等の喫緊の課題を考えれば、民意の意味するところは至極当然だと思われる今は選挙をやるような状況ではないのだ。
次に、「野党はどこまで政府・与党に協力すべきか」という問いに対しては

「税制問題や社会保障改革なども含めて幅広く協力」が52%に達し、「震災復興対策に限って協力」は、わずか19%しかなかった。

 よく外国人のエコノミストが「市民に社会保障・税一体改革の必要性を数字で解りやすく提示し、政治家がリーダーシップを発揮すれば、日本の財政問題は簡単に解消できる」と指摘しているが、この世論調査の結果は、市民の間に社会保障・税一体改革必要性の気運が広く浸透していることの一つの証左ではないだろうか。政府・与党はしばらくは選挙のことは考えず、「⑥社会保障・税一体改革成案を早急に具体化」すべく、野党との合意形成に全力を注力してほしい。

衆参同時選挙を想定して、
「一票の格差」是正に取り組め

 ところで、基本方針9項目に採り上げられなかった重要な政策課題が一つある。それは「一票の格差」の是正問題である。民意が二大政党による政権交代制を是としている以上、長い目で見ればこの問題で民主党と自民党の利害が相反することは考えにくい。最高裁が「違憲状態」といういわば待ったなしの最終判断を下した以上、一票の格差の是正はすべての政党、いや、国会全体の責務となっているはずである。

 理想を言えば、野田内閣は「社会保障・税一体改革」と「一票の格差是正」を成し遂げた上で、衆参同時選挙に打って出るべきではないか。

 そして蛇足ではあるが、当コラムでも述べたように、一票の格差を是正する際には、民主党と自民党でよく話し合って参議院の権限の見直しにも踏み込んでほしい。仮に、今、総選挙が行われて、自民党が勝ったとしても、自民党政権は民主党政権以上に参院とのねじれに苦しむはずである。そうであれば、この点に関しても、民主党と自民党の間に本質的な対立点はないはずである。

(文中、意見に係る部分はすべて筆者の個人的見解である)