イラスト:安田雅章

 ヨシは給油のほか、無料のタイヤ空気圧チェック、洗車(有料)、オイル交換、ワイパー交換などのサービスも提供する。タイヤに関してはファイアストンブリヂストンがパートナーになっており、タイヤの摩耗が進めば高品質タイヤに交換を依頼できる。

 米国でオイル交換を行う場合、まずアポイントをとって、作業に1時間近くかかって……と、ドライバーにはちょっと面倒。だがヨシのメンバーなら自宅で、あるいは会社で、気軽にマイカーのメンテナンスサービスが受けられる。これもメリットである。

 ヨシは米国のベンチャー投資企業であるYコンビネーターによる起業支援で生まれた会社で、これまでに210万ドル(約2億4000万円)の投資を集めた。新しいかたちのガソリンビジネスとして業界では注目されている。

低コストで利用可能な庶民の味方
ガソリンスタンドとは競合しない?

 ヨシの何が新しいのかというと、月に20ドルという会費で何度でもサービスが受けられる、という点だ。米国ではこのところウーバー・フードなど、あらゆるデリバリーサービスが生まれているが、「利用できるのはひと握りの人々」という批判もある。6ドル程度のマクドナルドのセットをデリバリーしてもらうと、合計価格は10ドルを軽く超える。このようなサービスを気軽に利用できるのは、いわゆる富裕層だ。

 アレクサンダーさんは「ヨシの顧客はピザのデリバリーサービスなど、頻繁にガソリンを入れる必要があるユーザーも対象にしている。決して富裕層のためのビジネスではない」という。

 経済アナリストは「このようなサービスは既存のガソリンスタンドを脅かすものにはならない」と分析している。ニッチ市場、とくに商業車両にとっては便利なサービスとして発展するかもしれない。なお、米国には約11万4000のガソリンスタンドがある(12年)から、ヨシのサービスが数百拠点単位に発達するまでは既存のスタンドとは競合しないのかも。

(報告/森脇 稔、まとめ/CAR and DRIVER編集部)