台数規模に差がある2社、
対等な資本提携の意味とは?
トヨタとマツダは8月4日、「互いに相手の株を持ち合う資本提携について合意した」と発表した。トヨタはマツダ株の5.05%、マツダはトヨタ株の0.25%をそれぞれ保有し、2年前に結んだ業務協力関係を強化する。この保有比率は「互いに相手の株を500億円分だけ持つ」という対等な提携関係を意味する。トヨタが自社株を国内の同業他社に保有してもらうのはこれが初めてだ。株式の取得は今年10月2日に実施されるが、販売台数規模に大きな差がある2社による対等な資本提携という点が最大の特徴である。
両社の発表によると、具体的なプロジェクトは4つ。(1)米国に車両生産工場を合弁で設立する、(2)EV(電気自動車)を共同開発する、(3)コネクテッド(つながるクルマ)技術を共同開発する、先進安全分野で技術提携する、(4)商品を補完し合う──である。合意について両社は「過去2年間にわたって両社が真摯かつ丁寧に協議を積み重ねてきた成果」と表現した。
記者会見でトヨタの豊田章男社長は「マツダとの提携でトヨタが得たものは〝クルマを愛する仲間〟であり、同時に“マツダに負けたくない”というトヨタの“負け嫌い”の気持ちに火をつけてくれた」と語った。同様に、マツダの小飼雅道社長は「提携を通じて負け嫌い同士が集まり、互いに刺激を与えながら人財とリーダーを育てイノベーションをリードし、自動車業界の活性化とクルマファンの拡大に寄与できれば、こんなに素晴らしいことはない」と語った。両社長とも相手の存在を尊敬し、互いに協力し合うことの意義を語っている点が興味深い。