(5)今の40~50代は消費好きで貯蓄ができない

 この項目でひとくちに「40~50代」と世代をくくってしまうと、語弊があるかもしれない。バブルの空気を知っているのは50歳以上で、40代はバブル時期には社会人になっていないため「バブルでいい思いなどしたことがない」という人が大多数だろう。

 5つ目の要因は「50代」としよう。バブル時期を知っている人は、他の世代と比べて格段に「消費が大好き」である。「クルマは持っていて当たり前」、「月に2回のゴルフは欠かせない」「部下や後輩におごるのは男の甲斐性」といった羽振りの良い男性は珍しくない(女性でもいる)。

 でも、こういう人でしっかり貯蓄できている人は見かけない。全方位的にお金を使う人は、貯蓄できるはずがないのである。

何となくお金を使うのではなく、
事前のリサーチと家族の話し合いが不可欠

 まとめると、「今の40~50代が貯蓄できない5つの要因」は次のようになる。

(1)税金・社会保険料アップで手取り収入が減っている
(2)超低金利が長く続き、利息でお金を増やせない
(3)子どもの教育費がハイパーインフレ状態
(4)住宅ローンを「たくさん」「長く」借りているから、老後に負担を先送り
(5)今の50代は消費好きで貯蓄ができない

 このうち、1つ目と2つ目は経済環境の変化によるものなので、原則として自分でコントロールするのは難しい。しかし、3つ目~5つ目については、多少のコントロールの余地は残されている。

 たとえば、子どもが高校生になった段階で、進路を子どもと話し合い、学費を調べ、お金が足りるのかどうかを試算しておく。足りないようであれば、それをどのように資金繰りするといいのかを子どもを巻き込んでプランを立てておく。

 当たり前のことだが、多くの家庭でできておらず、「とりあえず教育ローン、2年目以降は奨学金を貯めて払う」として、親、子ともに借金をすることになっているのが現状だ。事前のリサーチと家族の話し合いをするかどうかで、親の老後だけでなく、子どもの20代以降の生活も変わってくることを忘れないでおきたい。

「下流老人予備軍」から脱却する策は、これからもこのコラムで紹介していくつもりだ。まずは、40~50代を取り巻く環境は親世代の時と大きく異なり、厳しいものであること認識することから始めよう。

((株)生活設計塾クルー取締役 ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)