煮詰まった時は『ONE PIECE』の話をして、
二人で盛り上がっていました(笑)

――(プレス質問)むめのさんは幸之助さんを全面サポート、もう一人の経営者と言われていますが、むめのさんのような女性をどう思いますか。

筒井 素敵だと思います。やっぱり、幸之助さん一人では、あそこまで行けなかったと思います。家で待っている家族のサポートなど、そういうものをしっかりむめのさんがフォローしていた。とても、いい人だと思います。

――(プレス質問)筒井さんと常盤さんは、今回の作品で三度目の共演になると思いますが、それぞれお互いの印象で変わったこと、何か変化があれば教えてください。

筒井 いや、変わらず、素敵な方だなと思っています。趣味の点で合うことが多いので、いろんな話を、撮影中もずっとしていました。

常盤 一本目は私の初舞台でもあった、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん作・演シ出の舞台(「砂の上の植物群」)だったんですが、やっぱり初舞台をする人間にとって、そのときの共演者の方々というのは特別な思いがありまして、もう足を向けて寝られない状態だったんですよね。

 ですから「まあ、筒井さん!」みたいな感じに、どうしてもなってしまう(笑)。筒井さんは当時、『スター・ウォーズ』の話だったり、私にはよくわからない話を結構おっしゃっていました。私が初舞台でパニックになっているのにもかかわらず、絶対持ってこなければいけない舞台のキーになるモノを忘れてきて、舞台の上で私をたった一人にしてそのまま取りに行ってしまったりとかして。「もうなんなんだ、この自由さは」と、私の中では「筒井さんは、よくわからない人」って印象でいっぱいだったんですね。

 二回目は、スペシャルドラマで上海でご一緒したんですが、そのときもふらふら一人でぷらーっと来て、なんかぷらーっと帰って行かれた感じで、「相変わらず、よくわからない方だなあ」という印象で(笑)。「でもまあ、やさしい方だからいいかな」と思って。

 今回も、さて、どういう感じかなあ、またちょっとよくわからない感じなのかなあって思っていたんですけど、『スター・ウォーズ』の話とかじゃなくて、違う趣味で共通する部分を見つけまして。本というか、漫画なんですけど(笑)。

筒井 『ONE PIECE』とか。

常盤 言っちゃいましたね(笑)。それですごい、共通の好きなものが見つかって、それを心の支えにして。二人で、なんか煮詰まってきちゃったなあ、というときは『ONE PIECE』の話をすれば、なんだか二人とも盛り上がれる、みたいな感じで。

 今回は、台詞が多かったりして、本当に大変な撮影だったんですが、それを乗り越えられたのも、筒井さんのお陰だったと思っています。あの、初舞台のときの、足を向けて寝られないところから、やっとここまで辿り着くことができたと思いました。

 今回は、筒井さんがいてくださったお陰で、私はこのドラマを乗り切ることができたと思っています。ありがとうございます、と心から思っています。ありがとうございました。

筒井 いやいや(笑)。