実はこのFace ID、機械学習を利用しており、ユーザーの顔の表情を毎回、学習することで、顔の変化にも対応できるという。しかも、この認識した顔の情報は端末内だけで処理しており、クラウド上にあげてビッグデータとして管理するようなことはしない。アップルではユーザーのプライバシー情報の扱いには細心の注意を払うポリシーを貫いており、ユーザーの顔データの処理も端末内で完結するような設計思想となっているのだ。

 アップルでは、情報や画像を処理するチップセットを複数、自社設計しつつある。これまでは他社製品を購入していたが、自社設計にあえて切り換えているのだ。将来的にはスマホのAI(人工知能)はさらに賢くなり、この賢さがスマホの使い勝手を左右するようになるだろう。アップルとしては次の10年もスマホ市場の勝者であり続けるため、AIに関連する部材に積極的に投資し、自社開発を推し進めているのだ。

充電マットにiPhone Xを置くだけで、充電が完了する Photo by Tsutsumu Ishikawa

 また、iPhone Xは非接触充電機能である「Qi」に対応している。充電マットにiPhone Xを置くだけで、充電が完了する。実はかつてQiは「おくだけ充電」という名称で、NTTドコモや国内メーカーなどが積極的に展開していたことがある。

 結局、対応端末が普及せず、鳴かず飛ばずで終わってしまったのだが、アップルが非接触充電を採用したことで、復活してくる可能性が出てきた。自宅用に充電マットを用意してもいいし、今後はカフェや空港のラウンジなど、気軽に充電マットが使える環境が再び、整備されるかもしれない。「ちょっとした休憩時間にiPhoneを充電マットに置いて充電する」という使い方が定着する可能性もあるだろう。ちなみにiPhone Xは耐水性能も備えている。

iPhone 8、iPhone 8 Plusは
従来モデルの後継機種

 一方、iPhone 8、iPhone 8 Plusは従来モデルの後継機種という位置づけだ。ホームボタンももちろん健在で、全体のデザインテイストは従来と全く変わっていない。これまで、アップルは2年に1回、フルモデルチェンジ、その間の1年間にマイナーチェンジを行うというスタンスをとってきた。

 直近であれば、2014年にiPhone 6が発売され、その翌年となる2015年にマイナーチェンジのiPhone 6s、そして、2016年にはiPhone 7という流れだった。

iPhone7は金属素材であったが、iPhone8はガラス素材に変更されている Photo by Tsutsumu Ishikawa

 ところが2017年はiPhone 7sではなく、iPhone 8という名称になった。全体のデザインは前モデルとほとんど変わっておらず、どちらかといえばiPhone 8ではなく、iPhone 7sというべきマイナーチェンジに落ち着いている。実際、iPhone 7用の本体カバーをiPhone 8に装着すると、ぴったりと収まりが良かったりする。

 外見での変更点は背面の処理だ。iPhone 7では金属素材であったが、iPhone 8では、ガラス素材に変更となっている。これもiPhone Xと同様、非接触充電に対応するためと思われる。ちなみにiPhone 8も耐水性能を備えている。