同じ家に一生住み続けるのは
難易度が高い行為

 家を買うこと自体が大きな消費であると同時に、家具を揃えたり、水道や電気を引いたりと副次的な消費も大きかったため、戦争で弱った国を繁栄させるには、積極的に推奨していく必要があったのだ。そんな中で、家を買った人たちに、やがて思いがけない幸運が訪れる。バブル期の突入だ。

「資産運用など一切考えずに買った家や土地が、瞬く間に高騰していったんです。1000万円で買った土地が、一晩で何倍にもなったわけですから、こんな成功体験ないですよね」

 ところが、周知の通り、バブルはあっという間に終焉を迎える。地価が最も高かった1992年頃に家を買った人たちの多くが、不動産で痛い目を見る結果となった。

 とはいえ、不動産投資が目的でない場合、ほとんどの人は、一生住み続けるつもりで家を買うため、資産価値が下がることをそれほど大きなデメリットと感じない。しかし、小屋氏いわく「特に若者世代には、“一生住む”という価値観を見直してほしい」と言う。

「同じ家に一生住み続けることは、意外と難易度が高いことです。たとえば、今勤めている会社で、ずっと働き続けるのでしょうか? 終身雇用制度が当たり前の時代は終わりました。もしかしたら独立や起業をするかもしれません。他社からの引き抜きで海外勤務なんてことも考えられます。そんなとき、住宅ローンがあるせいで、金銭面の折り合いがつかずにそれらの選択肢が失われるとしたら、非常にもったいないのです」

 家を買うことが、若者たちの足かせになってしまうかもしれないのだ。それでもどうしても家を買いたいなら、「買う不動産をよく見極めて」から。

「住宅ローンは、あらゆる借金の中でも、特に有利な条件の借金です。何十年という長期ローンで、金利1%なんて、ほかにはありません。そのため、資産価値の下がりにくい物件を掘り当てれば、蓄財できる可能性はあります」