家電メーカー大手の英・ダイソンが、EV(電気自動車)への参入を発表した。20億ボンド (約2900億円)を投じて車体やバッテリーなどを開発し、2020年までに発売する計画という。掃除機で創業し、扇風機やドライヤーなど次々と事業のカテゴリーを広げてきたダイソンのものづくりの根底にあるものは何か。同社のマックス・コンツCEOに聞いた。(聞き手/週刊ダイヤモンド編集部 鈴木洋子、インタビューは6月末に実施)
――掃除機からスタートし、様々な分野に事業範囲を広げています。これからダイソンはどこに行くのですか?
私たちは「テクノロジー志向」企業です。カテゴリーや顧客に対してのマーケティングにより動く企業ではありません。「テクノロジーが導くところ」に向かいます。ダイソンは18年もの間、デジタル・モーターの開発に投資を行ってきたし、既存の価値観を破壊するほどのインパクトを持つ電池の開発を行ってきました。現在はロボティクスとAI(人工知能)に多額の投資をし、長期間注力しています。これらの技術への投資が、将来の事業を形作っていくのです。われわれは現在3500人のエンジニアを擁しており、すべてが実現するとは限らないものの、150件の製品開発プロジェクトが進行中です。