主要国政府の中では、欧州各国と中国がEV導入に意欲的だ。両者に共通しているのは、自国の環境エネルギー政策を遂行するためにEVシフトを進めようとしていること。ただし、中国だけは、環境汚染の解消やエネルギー需給のためというよりも、産業政策を推し進めたいという思いが強い。

 つまり、中国・習近平政権は、日米欧で牛耳ってきた自動車産業のゲームチェンジを起こしたいのだ。

 これまでも、中国企業はガソリン車やハイブリッド車の技術で本気で追随しようと開発してきたが、先を行く日米欧に追い付き追い越すことは容易ではなかった。ガソリン車からEVの時代が来ると、世界のプレーヤーが「ヨーイドン」の横一線で開発をスタートさせることになる。雨後のたけのこのように生まれる中国ベンチャーでもEVは容易に造れてしまう。

Photo:Rodrigo Reyes Marin/Aflo

 最後に、米テスラの存在も忘れてはならない。登場したばかりのころは、大手自動車メーカーから相手にされることもなかったが、今やEVの先駆者としてベンチマークされる存在で、中国市場でのシェア拡大に挑む。

 世界最大の自動車メーカーであるVW、世界最大の市場規模を持つ中国、先駆者のテスラ──。3者の動きの連鎖がEVドミノを演出したともいえる。

 翻って、ガソリン車時代の王者、トヨタのEVに対する動きは鈍い。新旧入り乱れるゲームチェンジャーがトヨタを潰しにきている。