スケールメリットを生かしたローコストオペレーションや、強大なバイイングパワーを持つ大手チェーンが台頭する今、小規模小売業が生き残るためには何が必要なのか。長年にわたりロイヤルティ・プログラム(FSP)のコンサルタントとして世界各国の小売業を指導してきたブライアン・ウルフ氏に、そのヒントを聞いた。聞き手/千田直哉(チェーンストアエイジ)

「新鮮さ」と「コスト削減」がキーワード

リテール・ストラテジーセンター社長 ブライアン・ウルフ
Brian Woolf リテール・ストラテジーセンター(米国サウスカロライナ州)社長。世界中で幅広い業態・企業のロイヤルティ・マーケティングのコンサルティングを手掛ける。オークランド大学卒(修士号)、ハーバード大学MBA。ニュージーランドの大手小売チェーン「プログレッシブ・エンタープライズ」副社長、米国の大手チェーン「フードライオン」最高財務責任者を経て、1993年から現職。著書に『顧客識別マーケティング』や『個客ロイヤルティ・マーケティング』(ともにダイヤモンド社刊)などがある

──リーマンショックから3年が経った今も、米国内の経済環境は厳しい状況が続いています。米国の スーパーマーケット(SM)の現状について教えてください。

ウルフ 世界中どこでも同じかとは思いますが、より競争が激しくなっています。経済環境も厳しいので消費者が使えるお金は少なくなっています。つまり、企業は今後さらに厳しい戦いを強いられることとなり、倒産する企業もさらに増えるでしょう。

──そうした中で、米国のSM業界ではどのようなトレンドがあるのでしょうか。

ウルフ 大きく分けて2つの傾向が見られます。1つは、以前から存在するものではありますが、より商品の「新鮮さ」を追求する傾向が強まっているということです。もう1つは、コスト競争の激化です。

 鮮度の高い食品を求める消費者層は、オーガニック食材や、より健康的な食品を求める傾向があります。こうした消費者のニーズに対応して、SM各社の売場でオーガニック食品の取り扱いが増えており、そこで差別化を図ろうとしているようです。