実は中国人女性も
紙幣が汚いと思っていた

 ここ5~6年、中国を訪れるようになった人からすれば「いや、そこまで汚くないと思いますよ」と言いわれそうだし、20年以上前の中国を知る人からすれば「だいぶきれいになった。100元札はもうピカピカだ」という意見もありそうだ。

 私自身も、最近は中国に出張して紙幣を手にしても「こりゃ、汚いな」と感じることはなくなった。びっくりするほど汚い紙幣はだんだん中国からなくなり、「紙幣」について意識することがなくなったからだ。しかし、キャッシュレス化が進み、紙幣や硬貨(1元以下は硬貨もある)を使わなくなるにつれ、中国人と「お金」について話していると「汚い紙幣を使うのは以前から嫌だったので、スマホ決済できる社会になってせいせいした」とか、「ヨレヨレ、クチャクチャだから財布に入れると、ますますボロボロになってしまって、取り扱いに困っていた」といった声が次々と聞こえてきた。

 それを聞いた私は逆にびっくり。「そうだったんだ!やっぱり中国人もそう思っていたんだ」と感心してしまった。

 こういう意見を言うのは、比較的感受性が豊かな女性のほうだ。男性はそれほど意識したことがないのか、紙幣についての意見はあまり聞こえてこない。

中国人男性は
あまり財布を持ち歩かなかった

 そこで思い出したのは、中国の男性はあまり財布を持ち歩かなかった、ということ。近年ではだいぶ財布を持つ習慣が増えてきたが、以前、中国の男性は紙幣をそのまま束ねて(あるいは必要な数枚を数枚だけ)ポケットに突っ込んで外出していることが多かった。輪ゴムで留めている人もいて、会計のときにはそこから1枚、2枚と無造作にお金を取り出していた。

 以前、ある日本人の友人は中国出張の際、「中国人は財布を使わないので、人目が多いところでは、絶対カバンから財布を出すな、と駐在員から言われました。財布を出す=外国人=お金がある、と思われてスリや引ったくりに遭うから気をつけろ、という意味だったんです」という。