若いからこそできることがある
間違って、失敗して、はじめて学べること
英語力がいくらあっても、ビジネスがわかっていないと意味がない。それを織田氏は実体験で学んだという。だからこそアドバイスするのは、若いときに揉まれることだ。
「ボッシュでも若い人を海外にどんどん出すようにしています。若いときが一番、好奇心があるから。吸収力もある。そして何より、若いからこそ、聞けることがあるんです。ある年代を過ぎてしまうと、もう人に聞けないことが出てくる。若いときは、自分がわかっていないことをしっかり認識して、どんどん聞いていく。ぶつかって、間違って、失敗して、コミュニケーションというものを学んでいく。若いときにしか、できないことがあるんですよ」
そして、欧米人とのコミュニケーションとして、もうひとつのアドバイスをこう語る。
「どのくらい論理的に説明ができるか、ということです。自分の体験談のようなものがあれば、なおさらいい。特に欧米人というのは、議論好きですからね。彼らが納得できるような論理展開で話を組み立てたり、体験を使ったりしたほうがいい。あと、なかなか難しいことではありますが、彼らが得られるもの、彼らにとってプラスになるものを加える意識を持っておく、ということでしょうね。相手のことを思ったら、ノーという言葉だってちゃんと出てくるものなんですよ。何か説明しようとするときに、背景まで説明しようとするんです。それができれば、入っていきますよ、相手には」
実は英語力をテーマにした書籍に登場するなんて、最初は断ろうと思っていたのだという。だが、自分に役に立てることもあるのかもしれないと気がついた。
「英語を学ぼうと奮闘されている読者のみなさんを、勇気づけられるかもしれないな、と(笑)。こういう外資系トップもいるんだ、と」
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