他の方々による注意喚起記事も続出して、「ついに山が動いたか」と思ったものだが甘かった。これほどまで、設計管理者やコンサルタントによる談合やリベートが社会に知られるようになったにもかかわらず、相変わらず談合リベートが公然と行われている例が後を絶たないのだ。

 いまだに業界紙には「公募」という名の談合リベート案件が毎日のように掲載されている。

 例えば、下記のような内容だ。

「資本金1億円以上、年商30億円以上、会社設立20年以上、経審(経営事項審査:日本の建設業において、公共工事の入札に参加する建設業者の企業規模・経営状況などの客観事項を数値化した、建設業法に規定する審査)800点以上」

 といった不自然な見積参加条件がつけられており、業界関係者なら誰が見てもがんじがらめの「談合リベート案件」だ。

絵に描いたような談合リベートに
喰い物にされ続けるマンション管理組合

 つい先日も私のところに、あるマンションの修繕委員長Aさんが駆け込んで来られた。

 このマンションは47世帯、築12年――。

 12年目ということで、「第1回大規模修繕工事が必要」と管理会社から言われての工事だ。コンサルタントとして入ったのは業界で有名なT設計事務所。

 実際に、上記のような厳しい見積参加条件を付けて、6社から見積を徴収したら、T設計事務所の設計概算金額が9600万円に対して、9300万円、9600万円、9700万円、9800万円、9900万円、1億円だったという。

 これはまさに絵に描いたような談合なのだが、誰も気に留めず、最安値を付けた施工会社で実施することを管理組合総会で決議したという。Aさんは週刊ダイヤモンドの記事や拙著を読んでおかしいと感じ、「一戸あたり約200万円の工事費が妥当なのか?」「修繕積立金では足りず数1000万円の借り入れまでして、すぐ実施しなければならないのか?」という疑問を持って訪ねてくださったのだ。