このお客様の管理票を客観的に眺めたところ、別の視点が見えてくる。

 直接会って話している時には気がつかなかったが、“鉄骨のことをよく言わない”といった部分を除けば、まさに“契約になるお客様”のパターンだということに気がついたのだ。

 管理票で今までのお客様との履歴を「見える化」したことで鳥瞰的視点を持つことができたのだ。

 それからは、どんな否定的な言葉を言われても《このお客様はなんだかんだ言っても決まる》と思えるようになった。

 その後、2回ほどお会いして後にクロージングをした。結局、このお客様は契約してくれたのだ。

 つまり、お客様は鉄骨を嫌っていたわけではなく、心配でいろいろとうるさく言ってきただけだった。もし、あきらめ半分で、中途半端な商談をしていたら、決まっていたかどうか分からない。おそらく、ダメだっただろう。

 このお客様のように、なんだかんだ文句を言っているのに、アポが続くお客様がいる。

 実はこういったお客様は、決まる確率が高い。お客様の表面的な言葉で《これはダメだろう》などと、簡単に諦めてはならないことを学んだ。

イラつくメールを送ってくる会員は
大事なファンと気がついた

 もう1つ別の事例をご紹介させてほしい。

 私は営業マン向けに営業の通信講座を開催している。通信講座はメール相談の特典があり、営業ツールのチェックから営業活動の悩みまで、いろいろと相談に乗っている。

 ある会員さんのことだ。

 その会員さんは、ちょっとイラッとする相談メールを送ってくる。半分は相談で、あと半分は「あなたの言った通りになりませんでしたよ」といった感じのクレーム的な内容である。

 その表現もいかにも“売れないのは自分のせいではなく、菊原さんのアドバイスが悪いからです”といった、責任転嫁という感じだった。

 しかも、敵意むき出しな表現が多い。