「日本人と言えばサムライ」――アメリカ人の
ステレオタイプを変えていけたら

――カバーには笑顔のお写真が使われていますが、撮り下ろしですか?

そうです。カメラマンがニューヨークで撮影してくれました。ただ、最初に出版社から来たデザイン案では、笑顔のない写真が使われていて、僕らしさが出てないんじゃないかと家族などにも言われ、何回か出し直してもらったんです。どうもアメリカ人の抱く日本人男性のイメージが、「サムライ」のステレオタイプから抜けきっていないんですね。

日本語版の本のカバー写真を送って「この感じで」と伝えて、やっと笑顔の写真になりました。以前に高倉健さんも「ノブさんは、笑顔がいいね」と言ってくださったし、アメリカ人の「日本人と言えばサムライ」のイメージを変えていくうえでもよかったと思っています。

――英語版刊行とほぼ同時に、「ニューヨークタイムズ」に記事が出ましたが、他に取材は受けられましたか?

ロンドン滞在中に「タイム」や「イブニング・スタンダード」の取材を受けました。この後、11月末に僕は香港からニューヨークに入りますが、ここで本格的なプロモーションが行われる予定で、テレビ、新聞、雑誌のインタビューが待っているそうです。

通常、アメリカではブックストアでサイン会をするのですが、僕はクックブックのときにやらされたのが恥ずかしくて嫌だったんです。それで、契約のときから「本屋さんでのサイン会だけはやめてほしい」と条件に入れてもらって、代わりにNOBUレストランのバーラウンジでサイン会をすることにしました。

――英語からさらに他の言語に訳される可能性もあります。何語に訳されればいいとお考えですか?

現時点でイタリア語のオファーが出ていると聞いています。ミラノにNOBUのレストランがありますし、楽しみです。スペイン語やフランス語、中国語にも訳されるといいですね。また、ドバイのNOBUはたいへん人気があるので、アラビア語になることも期待しています。

韓国にはお店はないのですが、クックブックの韓国語版が出ており、インタビューを受けるなど関心を集めました。お隣の国ですし、興味を持ってもらえたらうれしいですね。

――本日はお忙しいところを、ありがとうございました。