「情熱大陸」思春期の中で一番悩んだ時期は?

佐々木 その思春期の7年の中で一番悩んだ時期はいつ頃だったんですか?

福岡 やっぱり最初の2、3年が一番悩んだかもしれないですね。
36歳で「情熱大陸」のプロデューサーを始めたんですけれど、周りにいるスタッフは9割以上が年上の方でした。
しかも皆さん、プロの方々なので、「自分の色をどう出していくのか」は、結構な悩みでした。
13歳って子供から大人への潮目が変わる時じゃないですか。どういう風に番組を運営して、育てていけばいいか悩みましたね。

佐々木 「情熱大陸」って、私の回もそうですが、登場する方の一番辛い時期も描かれると思うんですが、福岡さんの一番辛かったことは?

福岡 物事の流れを変えていく時って、「全員賛成」ということはないと思うんですね。
7対3だったり、6対4の意見に分かれた時に、どうやって決めていくか、どうやって僕のことをわかってもらおうかなという部分はあって。
そのあたりをどう克服していくかは…もう、毎週毎週一生懸命やるしかないんですよ。
ほんと、24時間ずっと「情熱大陸」のことを考えてました。
当時、寝て起きたら、いつも首に汗をかいていましたね。

佐々木 プレッシャーがあったんですね。

福岡 当時は一生懸命やっていたから感じなかったんですが、今考えると相当なストレスがあったんだと思います。
そういう時って、ストレスがあると思ったら負けだと思うんです。相当忙しかったと思いますが、風邪もひかなかったですね。風邪をひいていると思うと、風邪ってひどくなりますよね。

佐々木 熱ではなく、情熱だと。

福岡 うまいですね(笑)
そうやって一生懸命やっていたら、味方が増えていったということではないでしょうか。