売れっ子放送作家とコピーライターによる、伝え方の共通項とは?45万部を超えたベストセラー『伝え方が9割』の佐々木圭一氏と、秋元康氏との共著『天職』が大きな話題となった、放送作家の鈴木おさむ氏が意気投合。二人の対談をお届けします。
(取材・構成/上阪徹 撮影/石郷友仁)
「できる人」に共通していること
鈴木おさむオフィシャルブログ http://ameblo.jp/smile-osamu
佐々木 以前、おさむさんの著書『テレビのなみだ』を読ませていただいて、これが本当に面白かったんですが、秋元康さんとの対談が本になった『天職』がまた面白くて。読んだら折った耳だらけになってしまいました(笑)。ここまで濃い対談って、なかなかない。
鈴木 本当ですか。秋元さんは放送作家の大先輩ですから、最初はどうなるんだろうと思いました。それまでも何度か会ったことがあったんですが、いつも異常な緊張感が走るんですよね。ところが去年、AERAで対談したとき、初めてちゃんとしゃべれた気がしました。秋元さんも聞いてみると、意外にいろんなことをしゃべってくれて。これがきっかけで本を作ることになったんです。
実はこの本はびっくりすることがひとつあって、最初に『天職』というタイトルもテーマも何も決まっていなかったんです。秋元さんも「決めなくていいよ」と。でも、すごいなぁと思ったのは、「天職」という言葉は最初からキーワードとして出てきていたんですよね。
これは、仕事ができる人の共通点でもありますけど、フワーっとしながら、実は最初からゴールが見えているんです。秋元さんも「決めなくていい」と言いながら、ゴールが見えているのに、僕に遊ばせた、みたいな感じがしたんです。
佐々木 なるほど。
鈴木 面白い人だなと改めて思いました。だから、僕も普段はあまり言わないことを言っちゃったし、秋元さんも僕が聞くと何でも教えてくれた気がします。『情熱大陸』の取材だったら言わないだろう、みたいなことも(笑)。
佐々木 やっぱり面白い人に会わないと、ですよね。
鈴木 今、ちょうど「新しい人との出会いを求めよう月間」なんです。でも、びっくりするような出会いもあるんですよね。
雑誌や新聞に連載コラムを持っている若い女性とこの間、何人かで一緒にご飯を食べたんです。以前あるイベントで対談をした時、登壇を終えて会場から出てきたら、突然、僕のところに走ってきた女性がいまして。
それが、次の対談に登壇する女性でしてね。登壇前の慌ただしいときなのに、挨拶をされて、自己紹介をされて。それで後からメールもくれて。面白い人だな、と思って、共通の知り合いもいたので、食事をすることにしたんです。
自分の夢を叶えていきたい、と言っていましたね。でも、自分の登壇直前に僕のところに走って挨拶に来るって、なかなかできない。こういうのも、できる人のポイントかもしれないですね。僕もけっこう、ガツガツ行っちゃうタイプですけど。