経営 X 人事

優秀な若手が退職を考え始めたとき、キャリアコンサルタントはどうすべきか?

【3日後、人事担当が来室】

人事担当:ありがとうございました。キャリアコンサルティングのおかげで、本人はすっきりしたようです。ある部署に異動させることに内定しました。課長も喜んでいました。

キャリアコンサルタント:ちょっと待ってください。確かに一度キャリアコンサルティングはしましたから、本人が元気になり、ご依頼の主旨には沿ったのでしょうが、気になることがあります。どなたが本人と直接話をして本音を聞き出しているのでしょうか?上司は今回の異動について、そのミッションをきちんと話し、本人の反応を確認していますか?

人事担当:当然、上司は本人に話していると思いますが、確認してみます。もしまだなら、すぐに実施してもらいましょう。

【面談2回目】

 初回の面談から1週間後、Aさんから再度のキャリア相談依頼。

Aさん:驚きました。上司は異動を考えてくれていました。でも、キャリアコンサルティングで自分を振り返る時間を持っていなかったら、上司の話を冷静に受け止めることができず、断って会社を辞めていたかもしれません。

キャリアコンサルタント:よかったなあ。ただ、もともとの問題が解決していないと、どこに行っても同様の問題が起きる。たとえば、異動先について、業務や人について何か教えてもらったり、自分で調べてみたかい?

Aさん:今は目の前の仕事に集中していますから、異動してから教えてもらいます。大丈夫です。

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「企業内キャリアコンサルティング」入門

2016年4月より国家資格となったキャリアコンサルタント。厚生労働省は企業内にキャリアコンサルタントを置き、従業員のキャリア支援を促進することを唱道している。本連載は、他社に先駆けて2001年に伊藤忠商事でキャリアカウンセリング室を創設して初代室長となり、退職後もライフワークとして「企業内キャリアコンサルティング」の普及に努めている浅川正健氏が、キャリアコンサルティングの望ましいあり方と、実際のコンサルティング事例を解説する。

「「企業内キャリアコンサルティング」入門」

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