中国の携帯電話市場は、2012年に本格的なスマートフォンへの転換期を迎え、モバイル端末市場は大きく変わる。当然ながら、モバイル広告市場も大きな変化が求められる。億動広告伝媒(Madhouse)は、中国モバイル広告市場で今、注目を集めている企業だ。市場の変革期をどう捉え、勝機をどこに見出しているのか。Joshua Maa・CEOにお話を伺った。

消費者をサプライズさせ
口コミを広げる手法で成長

億動広告伝媒(Madhouse)CEO
Joshua Maa氏

――Madhouseの事業内容を教えてください。

 中国で携帯やスマートフォンに広告を配信するモバイル広告事業を行っています。会社名の由来も“狂った(mad)集団(house)”ではなく(笑)、モバイル(Mobile)の広告(Advertisement)をする会社という意味です。2006年の創業以来、従業員は180名を超え、上海、北京、広州に拠点を構える中国のモバイル広告の最大手企業となっています。売上ベースでいうと2010年度はブランド広告が92%で、残り8%がEコマースなどのコンテンツ広告です。今年は、特にブランド広告以外の分野のビジネスが拡大しています。

――中国では、どのようなモバイルブランド広告が成功していますか?

 ブランド広告の場合には、オンラインだけでなくオフラインも融合した広告、消費者をサプライズさせる、話題になりやすく口コミで広まりやすい広告が成功していると思います。

 例えば、昨年のマクドナルドの広告もそうです。バス停など交通量の多い場所に、マクドナルドで販売しているアイスクリームの写真を2つ並べて、「この2つのアイスクリームのどこが違うか分かりますか?もし分かったら、この2つのアイスクリームの写真を撮って、どこが違うかをコメントしてSMSを送ってください」という文言とともに掲載します。そしてSMSを送ってくれた人に、「実はこの2つのアイスクリームは全く同じです。違うのは価格です。1つアイスクリームを購入すると、2つ目は半額になるからです」と返信するのです。このように単なる半額キャンペーンではなくアイデアを工夫することで話題となり、口コミで広がるのです。