ギリシャの次は日本――。

 そう言われても現実味は感じられないだろう。しかし、2012年、日本の財政の“超”借金依存体質が世界的に注目され、金利上昇と国債価格の暴落が始まり、金融機関や国民生活が大混乱に陥る可能性は、残念ながら否定できない。

 まず2012年度予算案を見てみよう。そこにはすでに日本の財政が危機的状況にあることが、浮かび上がっている。

 まず、歳出は増え続ける。一般会計歳出総額は90兆3339億円となっており、昨年度当初予算より2.2%減少した。しかし、歳出部分でもっとも大きな社会保障費では、基礎年金の国庫負担割合を2分の1にする財源=約2兆6000億円分を年金交付国債で賄うため計上されていないことに加え、復興関連費用=3.8兆円も特別会計化されている。これらを加味すると、歳出総額は96兆円を超えてしまい、過去最大の歳出規模である。

 歳入に関しては、国債依存度が49%と過去最悪。税収見込額の42兆3460億円を超える、44兆2440億円が新規国債発行により賄われる。国債を発行し借金を積み重ねないと、国が回らない状況は依然として変わらず、国債依存から脱却の道筋は見えない。

 新規国債に財投債や借換債、復興債を含めた国債発行総額は174兆2313億円となり過去最高を更新。これまで積み重ねてきた「国の借金」の総額(政府短期証券の発行残高や借換債などを含む)は、2012年度初頭には1000兆円超という天文学的数字に達する見込みだ。

 基礎的財政収支(プライマリーバランス=その年度の政策的な経費と税収入の比)は22兆3000億円の赤字の見通しだ。11年度当初予算と比較して、約4500億円改善している。しかし、先に述べた基礎年金の国庫負担割合を2分の1にするための年金交付国債分を含めると、赤字は拡大している。年金交付国債は歳出に計上しなくてよいため、見かけの数字は良くなっているだけだ。

 歳出は増え続けており、歳入は借金頼み。日本の財政状況は火の車である。