新学期が始まって一段落、という5月ではあるが、大学学部の入試と違って時期が早い大学院入試は、もはや臨戦態勢が始まっているといっていいだろう。来年の4月入試の要項が、そろそろ発表され始めている。今回は「社会人の大学院」として実力・人気ともトップレベルを走り続けている「筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(修士課程)」を取り上げる。

ビジネスマンの忙しさを見越した
良心的なカリキュラム

 筑波大学という名前ではあるが、実は東京に置かれている大学院がいくつもある。このビジネス科学研究科企業法学専攻も筑波大学の「東京キャンパス」にある。場所は東京メトロの丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩3分。ほとんど駅のまん前から敷地が始まっている。ちなみに茗荷谷駅は池袋駅から丸の内線で5分、東京駅から11分である。

 都内在住者はもちろん、都内在勤者にも便利。なにしろこの大学院は夜間開講大学院の先駆者であり、向学心ある社会人にはつとに有名な存在だ。入学には1年以上の社会人経験が要求される。

 講義が行なわれるのは火曜日~金曜日の夜間(7時限 18:20-19:35/8時限 19:45-21:00)2コマと、 土曜日 が3時限(11:45-13:00)から7時限までの5コマ。完全に社会人対応している。

 その代わり、日曜日は休業。平日の夜の数日と土曜日を勉強にあて、日曜日は休養に当てられる。平日の夜が比較的自由になるタイプの職種であれば、全休養日がゼロになりかねない土日開講に比べて楽な時間割である。ちなみに3学期制を採り、1学期は4月第2週から。ビジネスマンの忙しさの季節性と、押しなべて期首が忙しいことを見透かしたような学年歴を組んでいるのだ。

 学費も、国立大学法人らしい良心的なもの。実績ベースでは入学料が282,000円、授業料は年額535,800円である。

 企業法学専攻の下に、5つのコースを設定。(1) 企業関係法コース(2) 国際ビジネス法コース (3) 知的財産法コース (4) 社会・経済法コース(5) 税法コースのコース編成は社会人の法学ニーズを細かくカバーしている。更に言えば新設された税法コースは、税理士試験一部免除を修了のモチベーションとする学生の目的意識を正確に捉えているといっていいだろう。

 現在発表されている試験日程は9月14日。当日の試験は小論文と口述試験の2科目だ。配点は,小論文試験が60点,口述試験が50点,書類審査が50点となる。書類のウェイトも見逃せないので、準備は早いに越したことがない。

筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業法学専攻(修士課程)