就活本のロングセラー『面接の達人』。面接対策本として多くの学生に支持されてきた「メンタツ」の本文から構成して連載をお届けします。最終回の今回は、第10章「会社訪問で通る人 会社訪問で落ちる人」から一部を掲載いたします。

なぜたくさんの会社を回ったほうがよいのか

  良い会社を探すのが目的だったら、別にたくさん回る必要はない。
  1社訪問して、そこがいちばん良い会社なら、そこに決めればよい。
  効率から考えれば、最もうまい就職活動の仕方は、できるだけ少なく回って、良い会社を見つけることだ。
  究極的には、1社に行ってみたら、そこがいちばん良かったというのが、最高の就職活動ということになる。
  「条件のいい会社」を探すという目的ならそれでもいい。

  ところが、就職活動をする目的は、会社を探すことではなくて、自分を探すことなのだ。
  自分を探すためには、できるだけたくさん回らなければならない。

  そのことについて説明しよう。

  日曜日のお昼に、テレビ朝日系でやっている『パネルクイズ アタック25』というクイズ番組がある。
  就職活動は、あの番組に似ている。
  4人の解答者が、クイズに答えながら、5×5の25マスを自分の色に塗り替えていく。
  いちばん多く自分の色に塗り替えた解答者が優勝するのだが、クイズの最終目標は、パネルをいちばん多く自分の色に塗り替えることではない。
  優勝者は、最後のチャンピオンクイズに答える権利が得られるのである。

  何枚かの写真から、人物や地名を答えるというもので、それほど難しくない。
  ひねりがあるのは、自分の色に裏返したパネルだけがウインドーとして開いていて、ほかの部分が見えない仕掛けになっているということだ。
  全部開いていると簡単な問題でも、自分の色に裏返したマスの数が少ないと、急に難問になってしまう。