就活本のロングセラー『面接の達人』。面接対策本として多くの学生に支持されてきた「メンタツ」の本文から構成して連載をお届けします。第5回の今回は、第4章「練習で通る人 練習で落ちる人」から一部を掲載いたします。
たいしたこともしていないし、やりたいこともわからない場合は
自己紹介と志望動機を、練習で言わせてみると、まずしどろもどろになって、メロメロになる。実際には、それを、本番でやってしまうところだったのだ。
「昨日、家でやったときは、できたんだけどな。おかしいな」
と言う。家でやってみたときは、できたような気がしたのに、本番ではできなかった、という失敗も、面接では多い。
なぜかというと、なんとなく言えたような気がしていただけで、本当は、言えていなかったのである。できたような気がしていただけで、実は、できていなかったのである。
練習するときは、いきなり、口で話してみるよりも、書いてみること。実際に書いてみると、これがなかなか書けないことに気がつくはずだ。
じっくり時間をかけて書けないものが、スラスラと言えるわけがないのだ。
書いてみるときのメドは、
「自己紹介と志望動機を、それぞれ150字で書く」
ということを、目標にしてみる。
150字というのは、アナウンサーが話す時間に直すと、30秒分だ。
「どうして、そんなに短く書かなければならないのですか。面接時間は、短いとはいえ、最低10分はあるでしょう」
と言う。これが大きな誤解なのだ。10分のうち、面接官も黙っているわけではない。相手が5人で、こちらが1人という場合もある。面接官の喋る時間も含めて10分なのだ。
志望者に与えられた時間は、甘く見積もっても、5分がいいところだ。
その中で、自己紹介と志望動機を、言わなければならないのだ。
それぐらい短いのだから、自己紹介と志望動機以外は、言わなくていいのだ。