10年前までは中小のブラジャーメーカーだったレッジーナミラクルが、ワンピースブラ市場でナンバーワンの供給メーカーにまで成長した。その勝因は、「業界では実現不可能と言われていたワンピースブラを最後まであきらめずに開発し商品化したこと」だけでなく、前回のコラムでも書いたコバンザメ戦略で「自社ブランドでの販売に拘らずに知名度の高い既存ブランドの下に潜って事業を大きくしていったこと」にある。

維珍妮 国際有限公司(レッジーナミラクル)董事 劉震強氏

世界一流メーカーに認められた
世界初のワンピースブラとは?

――御社の事業内容を教えてください。

 弊社レッジーナミラクルは、ヴィクトリア・シークレットなど有名下着ブランドにブラジャー(ブラ)を供給するOEMメーカーです。世界で初めて実用的なワンピースブラを生産し、現在はワンピースブラで世界シェアトップとなっています。色々なパーツを縫製して作るカットソータイプのブラと異なり、ワンピースブラは縫製なしで1枚の布で作られたブラです。縫い目がないため素材の凹凸がなく、滑らかなフォルムを実現できるため、肌との一体感がアップし、薄手のアウターにも合うのも特徴です。また金型を使ったモールド生産を行うため、比較的低コストで安定して大量生産できます。

黒が通常のカットソーブラ、ベージュがワンピースブラ

 売上の三分の二を占めるワンピースブラのOEM供給の他に、ブラの成型カップ(中国語:罩杯)のみ、部品としての供給もやっています。2009年からは補整下着、スポーツウェア等の新しい商品の生産も行っています。2011年の全社売上は、昨年から30%増の30億元強の見込みです。

――ヴィクトリア・シークレットは御社の主要な取引先の1つなのですね。

 その通りです。ヴィクトリア・シークレットのブラは、完成品ワンピースブラとして20%、カップとしては(完成品ワンピースブラのカップの分を含めて)80%を、弊社が供給しています。弊社が供給したワンピースブラがヴィクトリア・シークレットの大ヒット商品となり、単品最大で1300万着のブラを供給したこともあります。