火中の栗は拾いたくないと
金融庁は逃げ回っていた

 マウントゴックスが取引所を始める前、行政のリーガルチェックを受けに関東財務局を訪れていたことが明らかになっても、金融庁は「火中の栗は拾いたくない」「うちの所管ではない」と散々逃げ回っていたわけだ。

 そうこうしているうちに、仮想通貨の市場は国内外でじわじわと拡大。コインチェックが、マウントゴックスの破綻によるプレイヤーの不在を商機と見たことがきっかけで参入したように、金融庁がようやく重い腰を上げて法律を改正するころには、すでに取引所が乱立する状況になっていた。

「仮想通貨の流出に至った根本原因に対する認識・究明が不十分だ」

 今回、金融庁はそう言ってコインチェックに業務改善命令を下したが、その金融庁自身も過去に規制の空白を放置したことが、騒動の遠因となっていることを認識すべきだろう。

 法律の枠組みを超えたサービスが次々に誕生する中で、その中身が理解できなかったり、官庁としての“権益”につながりにくいからなどとといって目を背け、後手に回るような行政を改めない限り、犯罪者集団に付け狙われる心許ない「みなし業者」ばかりが増えていくことになりかねない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 中村正毅)