時間がかかっても根気強く取り組めば、解決することができるのは、法律が次のような権利を管理組合に与えているからだ。

 区分所有法(正式には「建物の区分所有等に関する法律」)の57条には「区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、またその行為を予防するために必要な処置を執ることを請求することが出来る」とあり、続く58条では「訴えをもって、相当の期間の当該行為に係る区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することが出来る」とあり、59条では「競売請求の権利」も管理組合に与えられている。

 そんなカードをチラつかせながら対応してゆけば、裁判に至る前に解決を見ることもできるだろう。

ゴミ屋敷の発生を許さない
コミュニティー作り

 このように、いったん発生してしまったゴミ屋敷をもとに戻すためのエネルギーは計り知れない。それよりゴミ屋敷が発生するのを「予防」する方がずっと効率がいい。

 何をしたらいいのか?それは、マンションを生きたコミュニティーにすることだ。互いに干渉しない気楽さを求めてマンション住まいを選ぶ向きもあろうが、それではゴミ屋敷の発生は防げない。同じマンションを新築で購入した区分所有者は、経済的にも、年齢層、家族構成などにも大きな差がないことが多い。積極的に交流していけば、家族よりは広く、自治会よりは親密な、信頼できるコミュニティーになれる可能性が大きい。

 そうなれば、マンション内の孤独死やゴミ屋敷化を未然に防ぐことができる。コミュニティー作りは管理組合にとって、建物の保守、管理と同等、あるいはそれ以上に力を入れて取り組む価値のある課題だ。

 肩が凝るような会議だけではなく、何かにかこつけてパーティーやバーベキュー、親子を巻き込んでの季節ごとのイベントなどで、住民同士が親しくなれる機会を作ることに取り組んでみてはどうだろうか。