ルノーの傘下にある日産が復活したことで、この国際アライアンスの実態は、日産が主体でルノーとの相乗効果を図るという構図になった。

 仏ルノーの業績は、連結会社の日産が支える逆転現象も生じている。16年に日産が三菱自へ34%出資して傘下に収めたことで、長くルノー日産を引っ張ってきたゴーン会長の世界覇権への野望がルノー・日産・三菱自という新たな3社連合で実現に近づいたということである。

 実際、17年の世界販売は三菱自の回復基調で約100万台が加わって1060万台と1000万台ラインに乗せ、上半期段階ではVW、トヨタを抜いて首位に立っていたほどである。だが、後半期に日産の国内工場の無資格検査問題が発覚して国内販売を落としたこともあり、世界2位にとどまった。

 この3社連合の行方は、ゴーン会長の身の振り方次第という見方がある。

 ゴーン氏は現在、3社の会長とルノーCEOを兼務しているが、6月のルノー株主総会で仏政府の意向もあり、ルノーCEOを退くことになりそうだとの報道もある。もっとも、ゴーン氏は1月に仏議会が開いた公聴会で3社連合を率いる立場に専念する意向を示している。

 一方では、この公聴会で「3社連合は17年に1000万台以上の世界販売となった。VWと違い大型トラックは含んでいないため、我々こそが世界一だ」とゴーン氏らしいパフォーマンスで世界覇権の野望を示している。

 しかし、日産で17年間も社長を務めて、17年4月に西川廣人氏に社長を譲った途端に、国内工場で無資格検査問題が発覚した。それでなくともゴーン氏最後の日産中期経営改革の目標は未達に終わるなど、そのコミットメント(目標必達)経営に陰りが見えてきていた。

 ルノーは仏国内では、ライバルのPSAグループが米GMからオペルを買収して、欧州販売ではVWに次ぐ2位のシェアを確保した。ただし、ルノーに15%出資する仏政府との関係はぎくしゃくしていると言われ、マクロン仏大統領との折り合いも良くないとされる。まだ再建途上にある三菱自動車も含め、問題も抱えるルノーと日産の3社を束ねる経営体制にあって、ゴーン氏が求心力を保ち続けることができるかが注目されている。