出席してみると、なんとそこには財界の大物がずらり。私は、そこで自分の経験を踏まえ、公務員の倫理についての話をした。その際に、株取引の話になった。私は、「公務員、とくに幹部級の公務員の株取引は全面禁止にした方がいい。李下に冠を正さずとの故事があるが、多くの機密情報に触れる機会がある幹部公務員は、疑われるようなことをすべきではない」と提言した。

 今もそうなっているようだが、幹部公務員であっても上司に報告すれば、株取引は許されている。今回、逮捕された官僚は、報告をしていなかったという報道があるが、要するに上司に報告さえしていれば、株取引になんら制約がない。

 私の発言が終わるや否や、ある外資系企業の大物経営者(彼は日本人で考え方はいわゆる新自由主義的)が噛みついてきた。

「株取引なんか禁止する必要はないよ。君のような人がいるから景気が低迷するんだ」

彼は私を罵倒するように激しく言った。

「疑われるようなことをわざわざやる必要がないと申し上げたのです」

 私は、穏やかに反論。

「勉強のために株取引は必要だよ」

「勉強、ですか?」

 私は首を傾げた。

「そうだ。経済の勉強だよ。株取引は経済の勉強になるんだ」

「あのぉ、幹部公務員になるような方は、十分に経済の勉強をなさっているのではないでしょうか?」

 私は、呆れてしまった。確かに株取引は経済の勉強になるだろう。しかし、幹部公務員に対して、今さら経済の勉強はないだろう!国民を馬鹿にするな!