経験から学びを引き出す:
経験学習カルテ

 人は毎日新しい経験を積んでいる。しかし、仕事が忙しいと「経験しっぱなし」で、結局、何を学んだのか漠然としたまま「仕事をこなし続ける」ことが多くなる。経験学習理論によれば、具体的な経験をしたときには、それを内省し教訓を引き出すことではじめて学ぶことができる。

 米国陸軍では、作戦を実行した後、アフター・アクション・レビュー(AAR)といわれるものを実施しているという。これは、自らの任務を見直し、成功と失敗を見極め、次回の作戦時により優れた実績をあげるために行われるものだ。ビジネスの世界でも、区切りがよいところで自分の仕事を振り返り、学びや課題を引き出すことは、仕事の質を高める上で有効となる。

 そのためのツールが、図表2に示した「経験学習カルテ」である。これは、1日から数週間といった短期間の仕事について、「経験したこと」と「学んだこと」を記入するシートである。このとき、仕事に対する取り組み姿勢を、ストレッチ(挑戦的な課題であったか)、リフレクション(よく考え工夫しながら実施したか)、エンジョイメント(やりがい、意義、面白さを感じたか)の点から自己採点できるようになっている。