近刊『「自分」を仕事にする生き方』が話題のはあちゅうさん。「ネットに自分を出していくことの怖さ」「でも、その中で発信していくことの意味」について、『20代に伝えたい50のこと』の著者、秋元祥治さんと語り合いました。今回は対談の中編です。(構成/森綾 撮影/石郷友仁)
準備している人だけが「チャンスを引き寄せた」と気づくことができる
秋元 ざっくり同世代だと思うんですけど、大学のときから同世代で活躍している学生は誰かといったら、その中で必ずはあちゅうさんの名前が挙がってきました。だから、いつかお会いしたいと思っていました。でもきっとタイミングが合ったらお会いすることになるんだろうなというふうに思っていて。覚えていただいているかどうかわからないんですけど、最初はFacebookのメッセからだったんですよね。
はあちゅう そうですね、はい。
秋元 突然ですみません、って僕からメッセージしました。きっとたぶん10年とか20年とか前だったら、連絡先を探すのに図書館に行って、なんとか名鑑みたいなのを探してきて、代表の電話番号しか載ってなくて電話しなきゃいけないみたいな時代が、今ならSNS のアカウントをみんな持っているから、直接ダイレクトリーチできる。
はあちゅう 便利ですね。
秋元 そもそもお話ししたいと思った人のところに気軽に飛び込んでいけるっていうのは、誰もができるのに案外みんなやっていないなと思います。
はあちゅう 私は夢は絶対に口に出した方がいいし、人に相談した方がいいし、常に企画書を用意しておいたほうがいいと思います。話ぐらいは聞いてもらえるし、ひょっとしたら支援者が集まるかもしれません。
私自身は、大学の時に初めて手帳をプロデュースしたんです。それもどんな手帳を作りたいかというのをかなり具体的にイメージしていて、たまたま物作りをしている会社の人と一緒になった時に「実はいつか手帳を作りたくて」と、結構、具体的に話したんですね。そうしたらそれなら作れるから作りましょうということになった。やっぱりどれだけ具体的に自分の中でイメージできるかだと。
秋元 えー、すごい!でもその時って、当時大学生をやっていたはあちゅうさんは、自分で手帳を作ったことがないわけじゃないですか。手帳を作るメーカーさんとかもよくわからないし、きっと、でも具体的にこういうのを作りたいというのは準備してたわけですね。
はあちゅう 例えば大学の時ってめちゃめちゃ忙しかったし、周りに起業家の友達が多かったから、夜中の12時から会議とかあるんですけど、普通の手帳って12時までしか目盛りがないんですよ。だから12時以降のことを書く欄が欲しいとか、そういう具体的なイメージがあったんです。なのでそれを自分の手帳に書き留めてて。たまたま食事の席で会った人に、プレゼンぽくなくプレゼンしたんです。だから、常に頭の中に企画書があるかどうかが大事です。
秋元 つまり頭の中に企画書があったからこそ、逆に言うとその場も、つまり大半の人にとってはその場って別にチャンスでもないわけですね。でも準備している人にとってはチャンスになる。
はあちゅう そこで「私、これ引き寄せた」って思えるかどうかだと思うんです。漫然と過ごしていたら、たぶんそんなふうにチャンスが来たことも、過ぎ去って行ったことも気づけないんですけど、でも「こうしたい」と常に考えていたら、なんかチャンスが目の前に来た時に、これは今、自分が引き寄せたチャンスだと思える。