はじめての本『20代に伝えたい50のこと』を出すために、3年の時間が必要だったと言う著者、秋元祥治さん。近刊『「自分」を仕事にする生き方』が話題のはあちゅうさん。「なぜ、本を出すのか。本を書くことで何を伝えていきたいのか」という話題から2人の対談ははじまりました。今回は対談の前編です。(構成/森綾 撮影/石郷友仁)
秋元さんはなぜ本を出されたんですか
はあちゅう 秋元さんはなぜ本を出されたんですか。
秋元 坪田信貴さんの紹介がきっかけなんですよ。坪田さんとは元々本を出す前から仲良しで。僕はずっと20代から本を出したいという気持ちはもっていたのですが。
はあちゅう ちょっとわかります。
秋元 いつかは「先生、ひとつ執筆お願いできませんか」なんて言われたい、という勝手な妄想をしていたわけです(笑)。でもそんなことを思っていても絶対に話は来ないだろうなということに気がついて。3~4年前にFacebookに「1度は是非、本書きたいんです」ってひと言書いたら、坪田さんから「秋元さん、ちょっとそれ手伝うわ」とコメントをもらって。それで坪田さんにダイヤモンド社をご紹介していただいたのです。
はあちゅう カバーがすごくシンプルでいいですね。どうして最初の本を『20代に伝えたい50のこと』にされたのですか。
秋元 ありがとうございます。最初は編集者さんとディスカッションをするなかで、こういう方向にしようというふうに道筋をつけていただいたのですが、3年ぐらいはあまり進まなかったんですよ。
はあちゅう それはこれと同じコンセプトですか?
秋元 はい。全然書けなくて。20代に向けて書きたいと思ったのは、大学で担当している授業がきっかけだったんです。以前、愛知県立大学で授業をした時に、受講した大学生の感想が「先生の授業を受けて考え方がまるで変わった」とか「人生が変わった」というふうに書いてくれる子たちがいっぱいたんです。でもクラスには数十人しかいない。普段僕が接している20代の大学生や若手の社会人にいつも伝えていたことを、その人達だけでなくもっと多くの人たちに伝えたかったというのが、動機です。
はあちゅう 私、この本を読ませてもらって、本当に反論したいことが1つもありませんでした。まさにその通り、その通りですよねと。考え方や、何かすごくこの表現いいなと思ったり、こういうふうにしたら伝わるんだという言い回しで書いてあって、すごく小気味よく読めました。
秋元 ありがとうございます。今日の対談では、率直に、『20代に伝えたい50のこと』をお読みになって気づいたこととかを教えてください、ぜひ。
はあちゅう 何も将来の目処が立っていない真っ白な20代の人に、何かやろうというきっかけにするために読んで欲しい本だなと思いました。やっぱり何かやりたいけどまだ行動に移せない人、あとちょっとのところで火が点く人のところにこの本があると、動きだすきっかけになるんじゃないかな、と思いましたね。でも秋元さんと私は考え方が似ているのか、結構いつも私が言っている言葉が出てくるのにびっくりしました。例えば私「きついときは生きてると思ったらいい」って、よく講演会とかとで話す言葉なんですよ。
秋元 ほんと?!
はあちゅう はい。私、昔、世界一周でインドへ行った時に、そう実感したんです。生きてるのが辛いと思ったけど、辛い時って「あ、私、生きてる」と思うんですよね。まさにそのことが書いてあったりとか。すごく考え方が似ている人の本だなというふうに思いました。