朝起きて歯磨きと
複数の新聞を読むのが習慣
出口 そういえば、京都支社に配属される前に集合研修がありました。
当時は160人の新入生が全員寮生活でね、それぞれ6、7人単位のグループに分かれて、1年か2年上の先輩がついて、サラリーマン生活の「いろは」を教えてくれました。
岩瀬 「いろは」って具体的に何ですか?
出口 たとえば、「社会人とは朝起きて会社に行く前に、複数の新聞に目を通すのが常識だ」ということを教わりました。
岩瀬 僕もその話に影響を受けて、書籍『入社1年目の教科書』の中でも「新聞は2紙以上、紙で読め」と書きました。
出口 新入社員の頃は「2紙も取っていたらお金かかりますよね」と思わず先輩に聞いてしまった。すかさず「なんだ、そのために給料をもらってるのだろう」と言われて、その時から新聞を複数紙読み始めたんです。
今では、複数の新聞を読むことは、「朝起きて歯を磨く」のと同じ、習慣になっています。
女性社員を泣かす!?
入社1年目の失敗談
岩瀬 入社1年目の失敗談とかありますか?
出口 女性の上司をよく泣かせていましたね。
岩瀬 えっ、出口社長、ダメじゃないですか…。
出口 私は自分で納得して腑に落ちないと仕事ができないタイプなので、「これは何のためにやるのですか?」と質問攻めしてしまうわけです。 横の班の女性の先輩に「出口さんはなんでMさんをいじめるのか」と叱られたりしました。でも、今でもMさんとは仲良くしていますよ(笑)。
岩瀬 仲良しでホッとしました(笑)。
僕も『入社1年目の教科書』の中で、こう書きました。 どんな単純な作業にも必ず背景があり、大きな目的に沿って動いているのだから、何か単純作業を頼まれたら、「何のためにやるのか」尋ねると、その意味合いも違ってくると。
出口 そうですね。新人であっても、疑問に思ったことは臆することなく、どんどん聞くべきでしょう。
岩瀬 そういえば、女性ばかりの職場で苦労したことはありますか?
出口 僕は男だとか女だとかまったく意識しないので、困ったことはなかったですね。唯一意識したのは、夏には皆でプールに泳ぎに行っていたのだけど、僕だけ更衣室が別なので(当たり前だけど)そういうときくらい。 夏はよくプールで泳いでいたなぁ~(遠くを見る)。
岩瀬 なんだか、楽しい思い出ばかりですね(笑)。