現在、「がん就労支援制度」に登録している社員は約10人。その中には、治療は終えているが再発リスクに備えての安心材料として登録している人もいるという。

「最近は、治療で長期入院する前に、この制度を使って働き続けることをイメージして相談に来る社員もいます。抗がん剤治療などは特に辛いものですが『その辛さを乗り切ればまた働ける』『働く場には理解者がいる』ということは、安心というレベルを超えた、モチベーションになっていると思います」(同)

 気をつけるように周知しているのは、無理をしないこと、させないこと。体力、免疫力が低下した状態での無理は、治療期間の延長につながるからだ。

 その点は、働き方について、上司だけでなく、産業保健スタッフや人事部門と一緒に相談していく体制を確立し、衛生管理室に常駐する看護師とも勤務の状況を共有している。職制だけでなく、産業医をはじめとする医療専門家の客観的な判断を仰ぐシステムによって、より長く働いてもらうための支援となるわけだ。子会社も含む全社あげての連携が、「がん就労支援制度」の鍵のひとつになっているという。

「がん就労支援制度」が制定されて1年余り。がん治療のたいへんさが認知され、予防、早期発見への理解が深まった面があるなか、無給休暇を半日単位で取れないかといった問い合わせや、在宅勤務の検討も出てきているという。

  竹田人事部長は「実際に制度を利用している人の意見や勤務状況を見ながら、制度をアップデートし、より働きやすい体制を整えていきたい」と、先進的な取り組みを推進していく思いを語った。