優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
どんな人をメンターにすべき?
できる人から虎の威を借り、仕事を学ぶだけでなく、ビジネスパーソンとして一生相談できる人を見つけましょう。
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コツコツがんばる前に、「虎の威」を借りて実績を出そう
優秀な人には必ずメンターがいます。メンターとは、キャリアや仕事の悩みを相談する大先輩ではありません。その人の言うこと、やることは一切疑わずに従い、頭の回路ごと鍛えてくれる人です。
メンターの言うことは絶対で、よほどのことがない限り一生続く関係になります。ソフトバンクの孫正義氏は、日本マクドナルド創業者の藤田田氏がメンターで、藤田氏のアドバイスは必ず守ってきたそうです。
師匠は技術・テクニックを教えてくれる人です。全面的に従うというよりも、一定期間、技術やテクニックを教えてもらう関係になります。文章の書き方、プレゼンの仕方など、師匠のノウハウは全部でなく、ごく一部だけ学ぶこともあります。会社の上司や先輩をはじめ、身近な方でノウハウを教えてくれる人も師匠といえます。
師匠はたくさんいますが、メンターは1人か数名です。師匠からはノウハウを学びますが、メンターからは姿勢や生き様まで含めた人生観を学びます。
注意点は、どんな人にメンターになってもらうかです。
「やさしそう、こういう人になりたい」と憧れる人ではうまくいかないケースが多い。「誰にでもやさしい人」に弟子入りしたい人は山のようにいるからです。
弟子が多いと、あなたを気にかけてくれる時間・機会も少なくなります。すでに弟子のヒエラルキーができているかもしれません。その場合、あなたに教えてくれるのは兄弟子だけになり、本物から直接学ぶのが困難になります。
メンターを選べるなら、こだわりがハンパなく、人を寄せつけない雰囲気の大御所にしましょう。このタイプはコミュニケーション力が高くないので、こだわりについていけず、挫折してしまう人が多数です。
ゆえにライバルの弟子も少なく、教えてもらえる時間やチャンスを独り占めしやすくなります。
ただ、最終的なポイントは「馬が合うかどうか」です。理屈ではなく肌感覚になりますが、主張やこだわりにシンパシーを感じる。コンプレックスなどを含め、自分と同じ匂いを持っている人を選びましょう。