いま、私たちが寂聴さんから
見習うべき「六白」としての愛

 100歳に近づきつつある、こんなパワフルな寂聴さんから、私たちは何を学べばよいでしょうか?

 冒頭のインスタグラム開設宣言。寂聴さんが代表を務める有限会社寂では、瀬戸内さんのインスタグラム開設にあたってこのようなコメントを発表しています。

「来月(*2018年5月)15日に96歳の誕生日を迎え、いつも好奇心を持ち、色々なことに挑戦し続ける瀬戸内が、また新たに今回公式インスタグラムを開設する運びとなりました。日本最高齢のインスタグラマーとして、瀬戸内なりの視点で投稿をさせて頂きます」(ホームページより引用※一部改)

 人生100歳時代を迎えるといわれる日本。
 だれもが“初めて”のこと、先行きが不透明なことばかりで不安になっています。
 ほとんどの日本人が経験したことがない領域に、日本の社会が突入しようとしているからです。
 そんな中、不透明なりにも未来への光明を見出すとすれば、100歳を間近にしてもなお、見事に“生涯現役”を貫いている寂聴さんの、思考、言葉、行動に、たくさんのヒントがあるように思います。
 年齢的にも経験値にしても、寂聴さんは間違いなく私たち日本人、1億2000万人のトップ集団にいるからです。

 たとえば、コメントにある好奇心、挑戦。60歳、70歳、80歳……、歳を重ねるごとに私たちはこれらを失っていきはしないでしょうか?
 前向きに自分の人生を楽しもうという意欲を持続できるでしょうか?
 未経験のことに答えを見出すのはとても困難です。
 でも、寂聴さんのような「天の六白」らしい創造性と行動性をもたらすエネルギーは何かということを考えてみると自然に力が湧いてきます。
 寂聴さんのエネルギーは、限りなく大きな“愛”です。

「この地球上、世界中の、同じ時代に何かの縁で生きている人たちすべてが幸せでないと、幸せとは言えない」と寂聴さんは自身の著書で言っています。
 この精神を見習っていきたいものですね。

中野 博(Hiroshi Nakano)
信和義塾大學校創設者兼塾長、経営コンサルタント
早稲田大学商学部卒業。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院ブランディング実践講座エグゼグティブコースを修める。ハーバードビジネススクールでは経営学を学ぶ(いずれも短期集中型の経営者クラス)。1992年、地球サミットに国連認定ジャーナリストとして参加したことを契機に環境ジャーナリストとして活動。1997年の地球温暖化防止京都会議を機に、株式会社エコライフ研究所設立。環境ジャーナリストとしての取材・分析力と経営コンサルタントとしての提案力をベースに、800社以上を環境ビジネスに参入させ成果を挙げる。その傍ら、住宅、環境を軸にした本を多数出版(本書が30冊目)。講演依頼も多く、国内外で2000回以上の実績。2005年、教育研修会社の株式会社ゴクーを設立。1万人のサンプリングを体系化した『9code(ナインコード)』をもとに、信和義塾大學校で指導にあたるほか、企業や各種組織で『9code』を利用したコンサルティングや人材活用研修も多い。現在、信和義塾大學校は、世界6ヵ国20都市以上にあり、塾生は700名超。