ウルスは単なるニューモデルではない
社運をかけたプロジェクト
ウルスの成否には、ランボルギーニ社の未来がかかっている。単なるニューモデルではない。社運をかけたプロジェクトだ。
これまで2シーターのミッドシップスーパーカーだけを作ってきたメーカーが、グループ会社の支援があるとはいえ、SUVを生産し、しかも、その計画生産台数は現ラインアップのアヴェンタドールSとウラカン・シリーズの合計を上回る。つまり、年産量を2倍にするという計画であり、そのために工場の規模から人員まですべてにおいて会社の規模を倍増した。もう決して後には引かない、というわけだ。
ウルスのプロトタイプは、2012年の北京ショーで衝撃のデビューを飾った。ランボルギーニ社は、以前から第3のモデルを企画し、成長戦略の基本に据える方針を決定していた。しかしSUVにするか、4シーターのGTにするかは、議論が分かれていた。いざ、北京でウルスが披露されるや否や、中国はもとよりアメリカや中東でも市販を望む声が沸騰。ランボルギーニはアウディ・グループの承認を経て、正式にSUVプロジェクトの推進を図ることになった。